♪ ♪ ♪WEB拍手お礼♪ ♪ ♪ ・・1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
僕から「好きです」って告白した。彼はかったるそ〜に「あ?別にい〜よ。暇つぶしになるし」と承諾してくれた。きっと少し不良っぽい彼の事だから…気持ち悪いって…殴られるかもしれないと覚悟していたから……少し拍子抜けした。
暇つぶしって言ってたけど…少しでも彼の側にいられる事が嬉しかった。
「おいっ!そこのチビついてこいっ」
彼は僕の事を『チビ』って呼ぶ。僕を呼んでくれる彼が嬉しかった。僕も彼の名前を呼んでみたいけど…暇潰しの相手に馴れ馴れしく名前を呼ばれたら怒って側にもよせてもらえなくなるかもしれない。
そんな事になってしまう危険性は少しでも無くしたかった僕は彼の名前を呼んだ事がない。そのかわりいつも心の中でうるさいほど彼の名前を連呼している。心の中を覗かれたり、音を聞かれたら僕
はあまりのいたたまれなさに憤死してしまうかもしれない。
「あっ!うん、今行くから…」
慌てて今の授業に使っていた教材を片付けて弁当を取り出し先に行ってしまった彼を追い掛けた。
「ホントにおまえはトロくせぇな。さっさと来いよ」
そう言って彼は僕の前をスタスタと歩いていく。彼はそんなに急いでいるつもりは無いのだろうが…彼と僕の頭一つ分近く違う身長差のせいで僕は小走りしないと彼に追いつけない。そうして彼の背中を追って走っているうちに屋上についた。
彼はすでに建物の影に入る辺りに腰を降ろして持っていた袋からすでに昼食となるパンや飲み物を取り出していた。
「ハァ…ハァ…」
僕は息を切らせながら彼に近過ぎない位置に腰を降ろした。近過ぎてもいけない離れ過ぎても彼に不審を抱かれてしまう。いつもそれには気をつけていた。
「ほんっとトロイな。お前そんなんで生きていけんのかよ」
彼はあぐらをかいてもそもそ食べながらこっちをみている。
「うん、なんとかね」
僕はようやく落ち着いて来た息の間から彼に答えた。
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