♪ ♪ WEB拍手お礼  

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オレは人の体温が苦手だ。
苦手というよりもはっきりと嫌悪している。あの生温い感触が肌に触れると想像しただけで全身が総毛立つ。

嫌だ嫌だ嫌だ。

なのに…どうして…寮なんかに入らないといけなくなったのか…
ったく…親父しか俺にはいないのにその親父も会社の転勤で単身赴任にときた。
そしたら俺も必然的に寮に入る事になるよな。

あ〜嫌だ嫌だ嫌だ!

寮なんか入らなくても親父についていけばいいとか思うだろうが…外国に行くんじゃとんでもない!
向こうじゃスキンシップが挨拶とかいうじゃないか。んなの俺に耐えられる訳無い。断言できる。

奥ゆかしい日本人の中にいた方がマシってもんだ。
幸い親父は結構稼いでるみたいだし。せーぜー環境のいい所を選んでもらったさ。

付いて来てくれないのか…なんて泣きそうな顔してたけど…さすがに環境がガラッと変わる事や俺の事情も解ってくれてるんでしぶしぶではあるが納得してくれた。

まぁ…親父がいなくなると不便な事もあるが…親父も我慢したんだから俺も当然我慢するべきだよな。

とにかく…嫌でも明日は入寮式だ。

目立たず騒がず地味に高校生活をエンジョイさせてもらうさ。まぁ俺を気にする奴なんていないだろうから気は楽なもんだ。


「なんだよ…この無駄な壮大さは…」
好い加減俺もバスに乗りながらの山道続きでうんざりしていた所に…バス停を降りたら遥かに広がる並木道。というか森だぜ?森。

確かに勉強が仕事の俺達の環境に息抜き程度には緑も必要だろう。

それにしても無駄に多すぎだろ…森って…親父…まさかとんでもない坊ちゃま校選んだんじゃないだろうな…思わず遠い目になってしまった。

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