★ ☆ ★恋は盲目★ ☆ ★ ・・7・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
***後日***
「しっかし…あれ程盲目的に刷り込みがなされているのもすごいわよね」
「だね。俺が邦昭の千の蛮行を詳細に語ったとしても亮平ちゃんは邦昭のたった一言の『否』を信じるだろうね」
「それだけ信頼されているのね」
「まっ無表情、無口でもあいつは懐に一度入れたらよほどの事がないかぎり見捨てたりしないからな」
「そうなの?」
「そうなの。まっ、入るまでがかなりの忍耐と労力が必要だけどね…」
「あら?私そんなに苦労してないわよ?」
「…木原女史に逆らえる男なんかこの世にいませんよ…」
ぼかっ
「でっ」
「お黙り」
「いったいな…」
「でも不思議な男よね」
「無表情だけど…なんか考え込んでいるなって近くに来ると分かるんだよね。一人で思考の渦ぐるぐるしているし」
「無表情よね」
「そ、それが他の奴らには孤高の存在に見えるんだから…」
「「面白い」」
「あの二人は要観察ね」
「また亮平ちゃんにちょっかいかけちゃお」
「私も加わってみようかしら」
「お!そちも悪ですな!計画立てよ計画!」
そんな会話があった事も俺が不機嫌だった原因も全て二人には筒抜けだったなんて知らなかった。
俺はただただ自分の恋人になった亮平に夢中だった。
よしっ!恋人としての最初の使命はお前をあと5キロ増やす事にしよう。
徹底的に鍛えてやるからなっ
そう亮平には内緒で決意した俺は早速恋人になった亮平の側に行ってリクエストを聞き始めた。
「あ〜ぁ…鼻の下伸ばしちゃって…」
「無表情じゃない…さすがにこんなに遠いとわかんないわ」
「そりゃ幼少のころからの付き合いですから…しっかし美形でもあれじゃあな…」
「…やっぱり…あんたも特殊よ…」
そんな会話にも気付かず亮平と夕飯についての相談をうきうきとした俺だった。
END
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