■ □ 幸せな村の愛の樹■ □ 

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「しっかし、あの構えは見事だったな。隙もなかった。なにか武術をしていたのか?」
自己紹介が済んだ後、アリクは皆で腰を落ち着けてから切り出した。


しかし愛樹には相手の言っている事の内容に知らない単語があったので助けを求めるようにエディセルドを見た。


「ぶじゅ?」
「武術とは戦いのやり方だ。しっていたのか?」


「うん、習ってた」
理解した愛樹は簡単に返事を返した。


「しかし、エディセルドも人が悪いな。寝起きにあんな反応をするのならきちんと教えないと…」
クラウゼルが呆れたように声をかけた。


「いつもは少し寝ぼけて最初は反応が鈍いくらいなんだが…」
困ったようにエディセルドはそう答えたが…愛樹は途端に紅くなった。


「やだね〜ノロケちゃって」
アリクはからかうように笑った。


「ちがう。ちがう。エディセルドさん と、違う。思ったら、怖かっただけ」
愛樹は必死に弁護した。


「つまり、エディじゃなかったから、怖かったんだ?」
レセスターはそう問い掛けた。それに愛樹は無言で頷いた。


「なんだ割とうまくいっているんだ?」
クラウゼルはそう言った。その後色々エディセルドをからかうような話が頭上を飛び交っているがそれよりも愛樹はレセスターが抱いている子どもに目が行って仕方がなかった。


するとその視線に気が付いたのか…レセスターの膝から降りてとことこと愛樹の側まできて抱っこのポーズをしてきた。少し戸惑ったが…子どもなら…と思って愛樹はそっと抱き上げた。


「えと…なまえは?」
「レオルドです!2歳です!」
元気よく返事をしてきたので、愛樹は笑みを浮かべた。


「オレ、愛樹ね」
「あいき」
「そう」
そうやって小さな子との小さな友情を育てていた。

キリが悪くて…短くなってしまいました…

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