@  @愛したい、必要とされたい、可愛がりたい  

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朝方自分の胸元でごそごそ動いている気配を僕は感じた。

薄目を開けてみると虎太朗が起き出しているみたいだった。時計をみるとまだ朝も早かった。今日は休みだったのでかなり寝られる。


「…こた…まだ寝てていいよ…」
そう言って僕が虎太朗の頭を腕でそっと抱え込むと虎太朗は大人しくなった。

手が僕の身体を優しく撫でてくれているのが気持ちよくて僕は再び睡魔にとらわれていった。




朝…というより昼近くなって髪を優しく撫でられる感触で目が覚めた。虎太朗はやっぱり…目の前にいた。

でも僕と違って虎太朗はすでに目が覚めていた。昨日は僕が抱きしめていたのに今は虎太朗の腕に頭を乗せていてもう片方が腰にまわっているので軽く抱きしめられているような状態だ。


「こた…おはよう」
「おはよ」
そう言ってほてっと虎太朗は頭を僕の頭に寄せてきた。


「なんだか虎太朗って大型犬みたいだね」
そういって僕はちょっと笑って虎太朗の頭をくしゃくしゃと撫でた。虎太朗は犬と呼ばれたのにも関わらず何も言わずに僕に頭を撫でられるに任せていた。


「ちょっと遅いから…ブランチにしようか」
そう言って僕はパジャマのままキッチンに行って朝食の用意をした。


虎太朗は僕の後をついてのそのそとダイニングまで出てきた。そのまま僕がパンを焼いたりしていていたのだけどまた虎太朗はボーっとその様子を見ているだけだったので椅子に座らせてとりあえずインスタントだけどコーヒーをマグカップにいれてあげた。


「すぐ作るから待っていてね」
すぐに鍋に火をかけて昆布やいりこで出汁をとった。冷蔵庫から野菜やベーコン、みそ、豆腐など取り出して…ふと虎太朗を見るとじーっとマグカップを見ていたので気になって声をかけた。


「猫舌?」
首を横にふる。


「コーヒー嫌い?」
首を横にふる。


「苦いのダメなの?」
しばらくの間の後に小さく頷いた。


「牛乳と砂糖は大丈夫?」
また小さく頷く。


「そっか」
僕は牛乳を出してコップにいれ電子レンジで温めて、虎太朗のマグカップから半分僕のマグカップにコーヒーを移して両方に牛乳をいれて砂糖を混ぜた。虎太朗にはちょっと多めに入れた。


「ごめんね。苦手なものがあったらまた教えてね」
ジーと僕の顔を見ていたかと思うと虎太朗はマグカップに視線を落とした。


「ん」
小さくまた頷いてくれた。

 

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