@ @ @愛したい、必要とされたい、可愛がりたい@ @ @ ・・9・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「!」
首に虎太朗が軽くキスをする感触がする。
その柔らかい感触に思わず僕は硬直してしまった。
なんだか背中がざわざわしてしまったのだ。
僕が硬直したのが腕から伝わってしまったのだろう。
虎太朗が一度顔を上げて様子を伺っているのが目の端に見えた。
僕が腕にそっと触れるとまた顔を僕の首に埋めてきた。
ちゅっちゅっとかわいらしい音をたてながら虎太朗は僕の首にキスを落としていく。
そのうちその範囲が広がってきて僕の耳の後ろや反対の首筋、肩から背中の辺りまで虎太朗はキスを落としていく。
割とくすぐったがりな所のある僕はその度にざわざわしてしまって…膝からかくっと力が抜けてしまった。
うぅっ…情けないかも…でも僕の体に回されていた虎太朗の腕が難無く僕を支えた。
虎太朗はまた僕を抱き上げるとベッドに横たえさせた。
「こた?」
虎太朗の顔からは無表情なのに僅かにいいのかな?大丈夫?というような戸惑いが滲んで見えた。
そっと笑うと虎太朗は脇の下から腕をいれて僕の両肩を握ってきた。
顔は僕の首筋に埋められている。
僕の腕が自由になるので指に髪の毛を絡ませるようにして虎太朗の頭を撫でた。
虎太朗が力を抜いたので体重が僕の体全体にかかってくる。でも重さをどこかで受け流しているのだろうか。
重さが気持ちいい。
「…っ」
虎太朗が僕の首にまたキスをしてきた。
くすぐったいので思わず声が出そうになってしまった。
「由良…」
虎太朗が低く僕の名前を呼ぶので大丈夫だよのつもりでそっと虎太朗の肩を撫でた。
すると虎太朗は僕の顔を覗き込んだかと思ったら僕の頬の下あたりに頭を擦り寄せてきた。
くすぐったくて思わず笑ってしまった。
そのまま僕と虎太朗のスキンシップは暫く続いた。
ただただ僕は心地よい安心だけを感じる事ができた。
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