◇ 暖かい氷の瞳  

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その時リィズウェルの胸元に視線をとめた。
「リィズ…?この模様…きれいだね…」
リィズウェルは柳の額にそっとキスをすると体を起した。


柳が何となく話題をそらしたいと思っているのを感じた為と、この模様の事を話しておかなくてはならなかったからだ。


「柳の胸元にもあるよ」
「え!?」
リィズウェルの言葉に柳は慌てて自分の胸元を覗き込んだ。そこには確かにリィズウェルと同じ花の模様のようなものがあった。


「本当だ……これ…リィズの瞳の色と一緒だね……これ…花?違うかな…?」
柳は体を起して自分の胸元に触れた。花のように見えるのだが花びらと呼べるものが極端に少ないので花のような模様としか言えないのだ。


「これはまだ蕾だな。私が柳に真名を伝えて心臓の上に口付けたから現れたのだ」
「蕾…??真名を伝えて心臓の上に口付け…???」
柳にとっては疑問だらけの上にさらっと恥ずかしい事を言われてしまったのでまた耳まで真っ赤になってしまった。


「くくくっ…」
「リィズ!!」
柳のあまりにも初々しい様子にリィズウェルはたまらず笑い出してしまった。それにさらに赤くなったのは柳だ。


柳は色素が薄いため赤くなると耳から首元まで全部真っ赤に染まってしまう。ふてくされてしまった柳はリィズウェルと反対の方向に向いたが耳朶が真っ赤なのでそれもまた可愛らしさを誘うものだった。


「…っ!…それよりも僕なんで裸なの?」
未だに柳の耳は真っ赤に染まったままだが自分の身体を見下ろして柳はこれ以上赤くなりようは無い位に赤かったのにも関わらず更に赤みが増したので首から体の方まで赤くなっていた。慌ててシーツを胸元辺りまで引き上げた。リィズウェルはその様子を見て笑いを深くした。


「私の伴侶がこのように無垢な者であるという事に感謝しよう」
リィズウェルは体中真っ赤に染まってしまった身体を隠すようにシーツに包まっている柳をその大きな体躯で優しく抱きしめた。


柳自身もそれを拒むつもりは無いので大人しく身を任せた。
「柳、私の愛しい者……」
そっとリィズウェルは柳のまだ赤みのある首元に口付けた。柳はそれにビクッと身体を揺らしたがそれ以上の抵抗らしい抵抗は全くしなかった。


リィズウェルはそっと耳朶や剥き出しになっている肩にまでキスの雨を降らせた。触れられる度に柳は身体を震わせていた。

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