◇ 暖かい氷の瞳  

・・38・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「んっ…はぁ…っ」
「柳…」
リィズウェルは初めての柳を決して傷つけることのないように柔らかく溶かしていった。リィズウェルに対して全幅の信頼をおいている柳であったが柔らかく体がとけていても未知の領域に入る度に体を硬くした。


自分のものを口内で愛撫されながら後ろにリィズウェルの手が伸びてきた時はさすがに体を起こしそうになったがリィズウェルの掌になだめられるようにしてされるがままに任せた。


「柳…もうこんなに柔らかくなったよ…」
「…ん…やぁ…やめ…はずかしい…っんん!」
耳元で囁かれる声に耐えられず柳は顔をさらに紅潮させた。その瞬間に体内のある部分にリィズウェルの指が触れて思わず高い声を上げてしまった。


「柳はここが感じるかい?」
「やだ……ん…もうやだぁ……っ…ふぇっ…」
初めての強い快感に柳は耐えられなくなって掌で顔を覆い、大粒の涙を零し始めた。さすがに柳を泣かせてしまったという事もあってリィズウェルは柳の身体を優しく抱きしめて目元、頬や額、顔中に柔らかなキスの雨を降らせた。


「もう…やだ…みっともない…こえ…ばっかり…っ……怖いよ…」
「大丈夫だ、柳…。私は感じている柳を見る事ができて幸せだよ…」
リィズウェルにすがり付き肩に顔を埋めるようにしながら柳は初めての他人との接近で得た快楽による恐怖、それに伴って出てしまう声に今まで感じたこともない羞恥で心がいっぱい、いっぱいになっていた。

それを感じたリィズウェルは優しく柳を宥めたがリィズウェル自身もそのいとけない姿に胸の奥が引き絞られるような切ない愛おしさを感じていた。
「リィ…」
「…すまない…私も限界なんだ…」
柳は太ももの辺りにリィズウェル自身の熱を感じた。それにリィズウェルはこのような状態になってしまっている情けなさも感じたが限界に来ているのは真実だった。柳はリィズウェルの熱を感じて恐怖に近いものを感じたがここまで欲しがってくれているリィズウェルに答えたいと思った。


柳の中で恐怖と羞恥が愛おしさに勝った瞬間だった。


「リィズ…僕もう大丈夫だから…だから…………」
「柳……柳…愛しているよ」
リィズウェルは柳ともう一度深く口づけあい柳を煽りながら自身と柳の下肢に潤滑剤をたっぷりと塗りつけた。下肢にぬめりを感じた柳はのどの奥でうなり声を上げてリィズウェルに強くしがみついた。柳の身体が弛緩しきったのを見計らってリィズウェルはそっと身体を進めていった。


「んん〜〜〜っ!!っんん…」
大きな灼熱の塊が進んでくるような錯覚で柳は身体を反らせた。リィズウェルは柳を口付けや愛撫で宥めながらゆっくりとではあるが確実に自身を柳の体内に埋め込んでいった。柳はリィズウェルが充分すぎるほど慣らしてくれたので痛みはなかったがひどい圧迫感に大きく胸を上下させた。


「リ…ィ…は……った?……」
「あぁ…柳…すべて入ったよ……私の柳…とてもいいよ…」
柳は声にならない状態であったがリィズウェルは柳の言いたい事を察して答えた。柳はリィズウェルの答えにその官能的な表情に嬉しくなって万感の思いを込めて笑んだ。


「…っ!!…柳…すまない…動くぞ」
「あぁ!……はぁ…はっ…」
柳の笑みに煽られたリィズウェルはそれでも柳を気遣って最初はゆっくりと徐々に早く動き始めた。

最初付いていくのに必死だった柳も徐々に快感を得始めていた。何もかも初めてで許容量を超えてしまった柳は達した後すぐに意識を失ってしまった。


リィズウェルの「愛してるよ…」に「僕も…」と答えながら…。

 *