■ □ ■よよいの酔い■ □ ■ ・・9・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「まぁ…俺もかなり酔ってたから側に来生がいる事が嬉しくて…手を出してしまった…」
「……ゲイだったのか…?」
「今まで気になったのは来生だけだ。……で…嬉しくて仕方が無くて手を出しちゃったんだけど…あの朝、目が覚めた時……その…今までにも夢に見てたからそれの続きなのかと思ったんだ…」
照れくさそうに相庭が言っている事が今まで思考停止していた俺の脳みそに急に入り込んできた。しかもピンポイントで…
「………ゆ…夢……夢って……」
「やっぱ…やべぇかな…?結構、俺の脳内じゃあ過激なプレイが繰り広げ…あがっ」
「それ以上言うな〜!!!何だこれは羞恥プレイか!?!?」
思わず思いっきり頭突きをしてしまった。あぁもう…考えているのが馬鹿らしくなる…でも…一つ聞いておかないと…
「…なんでお前は俺の事が好きだったんなら……SEXどころか…キスも手をつなぐ事すらしなかったんだ……?」
そうだ俺はそれでどれだけ悩んだ事か…
「あ〜……」
「なに?言えない様な事なのか?」
気になって身体を相庭の方に向けたらそのまま相庭は俺を自分の胸に抱きこんでしまった。ぐはぁ……こんなこと初めてされたぞ…うわ…恥っ……
「あのな…最初があんなだったから…来生を大事にしたかったんだ。そのまま…抱いたりしたらきっと身体だけって思われちゃいそうだったし…」
まぁ…最初の時俺も軽く受け流そうとしてしまったしなぁ…
「そう…だったんだ…」
大事にしてくれてたって事になるのか…?うわっ…どうしよう…嬉しいかも…顔に熱が集まって…うわ!きっと俺、首も耳までも真っ赤になってるはずだ。
恥ずかしくて思わず相庭の胸に顔を埋めた。今まで両側に垂らしてた腕を…背中に回す事ができなくて…中途半端に相庭のわき腹あたりの服を握り締めた。
「うわぁ…なになに?何でそんな可愛い仕種なんかすんの?」
相庭がたわけた事を言うからさらに俺は顔を上げられなくなってしまった。
でも相庭の匂いがするこの場所は…居心地がいい…。今なら素直になれるか?素直になっても相庭は受け入れてくれるか?
「…………抱いてって言ったら………抱いてくれる?」
たぶんやっと聞こえる程度の声だったと思う。
「あぁ…もう……」
相庭のため息に俺はビクッと身体を揺らした。相庭…流石に呆れたか?好きだって分かった途端にこんな事を言うのって淫乱だと思われる?
多分俺の顔はさっきよりも血の気が引いてるはずだ。身体が小刻みに震え始めた。
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